音色

ギターは音色が命です。世の中にはパーフェクトに早弾き出来る人は大勢います。観客は賞賛しますが、それは感動とは別です。
以前のことになりますが、熊本でギター教室を開いていたときの話。
合奏団があり、そのメンバー同士が結婚式を挙げることになりました。合奏団有志でお金を出し合い、とある教会を借りて人前結婚式を行いました。私たち夫婦が仲人になることになりました。私の一生のうち仲人になるなどということはこれが最初で最後。
そのなかで新郎新婦がたどたとしい指使いで2重奏を演奏しました。へたくそでしたが、皆感動しました。私も涙が出ました。
人が感動するのは完璧なテクニックではありません。ギターの音など簡単にサンプリング出来るので、コンピューターでも完璧な演奏が人間が演奏しているのと同じように出来てしまいます。ギター演奏ロボットもあります。たぶん聞いても人が弾いているのかコンピューターが演奏しているのかは区別付かないと思います。でもそれでは感動出来ません。

CDよりアナログレコードが好きな人がいるのと同じです。パッション、心が伝わらなければ感動はしません。
音色を如何にコントロール出来るかだと思います。昔セゴビアトーンという呼び方がありました。
自在に音色を使い分けること。爪の具合、タッチの向き、どの位置で弾くか、アポヤンドなのか、アルアイレなのか。その他諸々の要素が結びつき、美しい音色が生まれます。
それができれば、アマチュアの演奏家でも人は十分に感動します。
プロの演奏家はリサイタルをこなすため多数の曲を練習なければなりませんが、アマチュアの場合、10年かけて1曲仕上がってもかまわないのです。
簡単な単音だけで十分です。何かが伝われば感動に結びつきます。視覚、聴覚ともに重要です。音だけ聞いてもだめ。実際に目で見て波動が伝わることが肝要。その人の息づかいが自分と共有出来れば感動出来ると思います。

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